男性泌尿器科とは
男性泌尿器科では、男性特有の泌尿器・生殖器の悩みや病気に専門的に対応します。
排尿の不調に加え、前立腺疾患・性機能の問題・精巣や陰嚢の異常・男性ホルモンの低下など、幅広い症状・年代に対応可能です。
「年齢のせいだから仕方ない」「誰にも相談できない」と思われる症状も、診察と検査によって原因を明らかにし、適切な治療につなげられることが多くあります。早めの受診が安心と改善への第一歩です。
このような症状で
お困りではありませんか?
- 尿の勢いが弱くなった、出しづらい
- 夜間に何度もトイレに起きる
- PSA値が高いと言われた
- 陰嚢や精巣が腫れている・違和感がある
- 排尿時に痛みがある
- 尿道から膿が出た
- 睾丸や陰嚢が腫れた
- 陰茎、陰嚢が痛む、かゆい
- 亀頭、包皮に水疱やいぼができた
- 性感染症が心配
- 性欲の低下、勃起の持続困難
- 射精時の痛み、精液に血液が混じる
- 疲れやすい、イライラしやすい(男性更年期)
- 結婚前・妊活前の健康チェックを受けたい
よくみられる
男性の病気と診療内容
前立腺肥大症
前立腺肥大症は、50歳以降の男性に多くみられる良性疾患で、前立腺が加齢により徐々に肥大し、尿道を圧迫することで排尿症状を引き起こします。主な症状は、尿の勢いの低下、排尿開始までの時間が長くなる、残尿感、頻尿(昼夜問わず)などです。これらは下部尿路症状(LUTS)と呼ばれ、生活の質(QOL)を大きく損なうことがあります。
症状の評価には症状スコア(IPSS)や尿流測定を用い、超音波検査で前立腺の大きさや残尿量を確認します。血液検査でPSA値を測定し、必要に応じて前立腺がんの除外も行います。
治療は症状の程度や前立腺の大きさに応じて選択します。
- 生活指導
- 水分・塩分の摂取時間の調整、アルコール・カフェインの制限、排尿習慣の改善など
- 薬物療法
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- α1遮断薬:尿道や前立腺の筋肉を緩めて排尿を改善。
- 5α還元酵素阻害薬:前立腺を縮小させ、長期的な症状改善を目指す。
- PDE5阻害薬:血流を改善し、排尿・畜尿症状を改善。
- 手術療法
- 手術で前立腺による閉塞を解除します。膀胱内視鏡を用いた手術が主流です。薬物で効果不十分な場合や重度の尿閉・腎機能障害・尿路感染を伴う場合に検討されます。
適切な治療により多くの患者さんで症状が改善しますが、放置すると尿閉や膀胱機能低下、腎障害につながることがあります。排尿症状を感じたら早めの受診が重要です。
PSA高値と前立腺がん
PSA(前立腺特異抗原)は前立腺がんの早期発見に有用な腫瘍マーカーで、一般的に 4.0ng/mL以上で高値とされます。前立腺肥大症や前立腺炎などの良性疾患でも上昇することがありますが、がんの可能性もあるため精密検査が必要です。
前立腺がんは初期には自覚症状がほとんどなく、健診や人間ドックで偶然PSA高値を指摘されることが多い病気です。放置すると進行して転移することがありますが、早期に発見できれば外科手術や放射線治療、経過観察など多様な治療選択が可能で、治療成績も良好です。
当院では、PSA高値の場合に超音波検査、血液検査を行い、必要に応じて連携病院でMRI検査や前立腺生検を実施します。これらの結果を総合的に評価し、病状や年齢、生活背景に応じた最適な治療方針をご提案します。
治療方法には以下があります。
- 手術(前立腺全摘除術)
- ロボット支援手術など、がんを完全に切除する治療。
- 放射線治療
- 外照射や小線源療法(組織内照射)など。
- 薬物療法(ホルモン療法、抗がん剤など)
- 根治療法を希望しない場合や、進行がん、再発例で用いる治療。
- 監視療法(経過観察)
- 病気の進行リスクが低い場合に、定期的な検査や診察で状態を確認しながら治療介入の必要性を判断する方法
健診やドックでPSA高値を指摘された方は、症状がなくても早めに受診することをお勧めします。早期発見が、より負担の少ない治療と良好な予後につながります。
精巣(キンタマ)の腫れ・痛み・違和感
精巣や陰嚢の腫れや痛みは、比較的若い年代にみられることが多く、原因は多岐にわたります。代表的なものには精巣腫瘍、精巣上体炎、精巣捻転などがあります。
- 精巣腫瘍
- 特に20〜40代男性に多く発症し、痛みを伴わない腫れとして気づかれることが多いです。進行が早いものもあり、早期発見が重要です。
- 精巣上体炎
- 細菌感染によって精巣上体(精巣の脇にある構造物)に炎症が起き、発熱や腫れ、痛みを伴います。抗菌薬による治療が必要です。
- 精巣捻転
- 精巣が回転して血流が途絶える状態で、突然の強い痛みと腫れを伴います。発症から6時間以内に手術が必要な緊急疾患です。
当院では触診や超音波検査により腫れやしこりの性状、血流の有無などを評価し、必要に応じて速やかに連携病院へ紹介します。特に精巣捻転が疑われる場合は、救急対応を優先します。
勃起障害(ED)
勃起障害(Erectile Dysfunction:ED)は、満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られない、または維持できない状態を指します。加齢に伴う血管の老化や男性ホルモン低下、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、心因的要因(ストレス・不安)など、原因は多岐にわたります。
診断は問診や既往歴の確認で原因を推定し、必要に応じて血液検査や心血管リスクの評価を行います。
治療は、ED治療薬(PDE阻害薬:シルデナフィル、タダラフィル、パルデナフィル)が中心で、当院では院内処方が可能です。服用前には血圧測定や併用薬の確認を行い、安全性を確保します。生活習慣の改善や基礎疾患の治療も並行して行うことが、長期的な改善につながります。
男性更年期障害(LOH症候群)
男性更年期障害は、40代以降に血中の男性ホルモン(テストステロン)値が低下することで、心身にさまざまな不調が生じる病態です。症状は倦怠感、意欲低下、性欲減退、集中力低下、気分の落ち込み、イライラなど多岐にわたり、更年期の女性に似た自律神経症状を呈することもあります。
診断には血液検査(テストステロンなど)と症状評価スコア(AMSスコア)と組み合わせて総合的に判断します。
治療は、ホルモン補充療法(テストステロンの注射や外用薬)、漢方薬、生活習慣改善などを組み合わせます。ホルモン補充療法を行う際には、前立腺や赤血球増多への影響を考慮して定期的な血液検査・PSA測定・超音波検査を行い、安全性を確保します。
ブライダルチェック(男性)
ブライダルチェックは、将来の妊娠やパートナーへの感染予防を目的とした健康チェックです。特に妊活を考えているカップルや、結婚前に自分の健康状態を把握したい方に有用です。
検査内容は、性感染症検査(クラミジア、淋菌、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIVなど)、精液検査(精子数・運動率・形態)、必要に応じてホルモン検査などを行います。
当院ではプライバシーに配慮した環境で実施し、結果に基づき適切な治療や生活指導を行います。(自由診療)。
男性の悩みに、
専門医がしっかり向き合います
男性特有の症状は、「恥ずかしくて相談しづらい」「年齢のせいだから…」と我慢してしまうことが少なくありません。
しかし、ほとんどの症状は診察と検査により原因を明らかにし、適切な治療につなげることができます。
当院ではプライバシーに配慮しながら、丁寧な説明と治療選択を心がけています。どうぞ安心してご相談ください。