泌尿器科がんとは
泌尿器がんには、膀胱がん・腎がん・前立腺がん・精巣がんなどがあります。
初期には症状が出にくいものも多いため、「血尿」「PSA高値」「陰嚢の腫れ」などのサインを見逃さないことが重要です。
当院では、泌尿器科専門医が日本泌尿器科学会のガイドラインに基づき、適切な検査・診断を行います。
必要に応じて大学病院・がん専門施設と連携し、治療方針を迅速に決定します。
このような症状・
検査結果があればご相談ください
- 尿に血が混じる(目に見える or 検診で指摘)
- PSAの値が高いと指摘された
- 尿の回数が多い、尿意があるのに出ない
- 腹部や脇腹にしこり・違和感がある
- 陰嚢や精巣が腫れている・硬くなってきた
主な泌尿器がんと特徴
前立腺がん
日本の男性で罹患数が最も多いがんの一つです。50歳代後半から増加し、60〜70歳代がピークですが、家族歴のある方は40〜50歳代でも注意が必要です。
初期症状
ほとんどが無症状で、PSA(前立腺特異抗原)高値が唯一のサインとなることが多いです。
PSA検査の目安
- 50歳以上の男性
- 家族に前立腺がんの既往がある場合は40〜45歳以上の男性
診断の流れ
- PSA高値
- MRIで病変評価
- 必要に応じて前立腺生検
治療
病期や悪性度に応じて、手術、放射線治療、ホルモン療法、経過観察などを選択します。
膀胱がん
特徴
血尿(特に痛みを伴わない無症候性)が最も多いサイン。頻尿や排尿痛を伴うこともあります。喫煙が最大の危険因子で、化学物質曝露も関連します。
診断
エコー、尿細胞診、膀胱鏡で評価。必要に応じてCT・MRIで進行度を確認します。
治療
- TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)
- 膀胱内視鏡で腫瘍を切除し、病理診断を行います。がんの深さや悪性度に応じて、再発予防に膀胱内注入療法(BCG・抗がん剤)を行います。
- 膀胱全摘除術
- 浸潤がんなど高リスクのがんで適応。尿路再建を伴います。
- 薬物・放射線療法
- 進行・転移例や手術困難例に化学療法、免疫療法、放射線療法を組み合わせます。
腎がん
特徴
早期は無症状。近年は健診や画像検査で偶然見つかることが増えています。
進行すると血尿や側腹部の痛みやしこりが出ることもあります。
診断
エコー、CT、MRIで評価します。
治療
腫瘍の大きさや位置に応じて、腎部分切除術または腎摘出術を行います。低侵襲治療として、凍結療法、ラジオ波焼灼療法があります。小さな腫瘍では経過観察を選択することもあります。
精巣がん
20〜40代の若年男性に多く、進行が早い一方で、適切な治療により治癒率が向上します。
主な症状
痛みのない陰嚢の腫れや硬結。
診断
エコー、腫瘍マーカー(AFP、hCG、LDH)測定で評価。
治療
原則として早期に高位精巣摘除術を行い、その後はがんの組織型、病期に応じて、経過観察、抗がん剤や放射線治療を行います。
早期発見のために
「検診で異常を指摘された」「血尿が出た」「家族に泌尿器がんの方がいる」という場合は、症状がなくても早めの受診をおすすめします。
早期診断と適切な治療を受けることが大切です。