小児泌尿器科とは
お子さんの排尿トラブルや性器の異常は、「成長とともに治る」と思われがちですが、なかには泌尿器科での専門的な評価や治療が必要な病気が隠れている場合があります。
当院では、夜尿症・包茎・精巣の異常・排尿異常・尿検査異常など、幅広い小児泌尿器疾患に対応しています。
保護者の方の心配を丁寧にうかがい、お子さんが安心して受診できる環境を整えています。
受診をおすすめする症状・
健診結果
- 小学校を過ぎてもおねしょが治らない(夜尿症)
- 排尿の回数が多い/急にトイレに行きたがる
- 陰嚢の腫れ/精巣の位置が左右で違う
- 包茎が気になる、赤く腫れたことがある
- おしっこの出方がおかしい/時間がかかる
- 健診で尿たんぱく・尿潜血を指摘された
主な疾患と対応
夜尿症(おねしょ)
5歳を過ぎても、週2〜3回以上の夜間尿失禁(おもらし)が3か月以上続く場合を夜尿症といいます。日本では、5〜6歳で約15%の子どもにみられ、男児にやや多い傾向があります。
多くは成長とともに改善しますが、膀胱容量の未発達、抗利尿ホルモン分泌リズムの遅れ、深い睡眠などが原因になります。
夕方以降の水分制限や就寝前の排尿など生活習慣の改善が基本で、必要に応じて排尿日誌での評価、内服治療(抗利尿ホルモン薬)、アラーム療法を行います。
小学校入学頃までに改善がない場合や、学校生活に影響がある場合は、早めの相談がおすすめです。
包茎・陰茎トラブル
学童期までは生理的包茎が多く、清潔管理で自然改善が期待できますが、排尿困難や繰り返す亀頭包皮炎がある場合は軟膏治療や手術を検討します。
亀頭の腫れや発赤、排尿困難が急に出た場合は「嵌頓包茎」の可能性があり、早急な処置が必要です。
停留精巣・陰嚢水腫
停留精巣は、精巣が陰嚢内に下降していない状態で、生殖機能や精巣がんのリスクに関係します。
原則として1歳前後までに自然下降がない場合は手術を検討します。
陰嚢水腫は新生児〜乳児に多く、自然に消退することが多いですが、2歳を過ぎても改善がない場合は手術を検討します。
精巣捻転
精巣が精索(血管や精管の束)ごとねじれて血流が途絶える状態で、急激な陰嚢の腫れと強い痛みが特徴です。
発症から6時間以内に整復・手術を行えば精巣を温存できる可能性が高いですが、時間が経過すると壊死により摘出が必要になります。
乳児から思春期まで幅広い年齢で発症し、特に思春期の男子に多くみられます。
症状が出たら夜間や休日でも早急な救急受診が必要です。
当院では、診察・エコー検査で鑑別し、疑われる場合は速やかに高次医療機関へ紹介します。
排尿異常(頻尿・排尿痛など)
小児の頻尿は膀胱炎のほか、排尿機能の未熟さやストレスによる心因性頻尿もあります。
尿検査や超音波で膀胱・腎臓の評価を行い、必要に応じて排尿機能検査や生活指導を行います。
健診での尿異常(尿潜血・尿たんぱく)
一過性の異常で経過観察可能な場合もありますが、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、尿路奇形などの初期サインであることもあります。
再検査や血液検査、腎・膀胱エコーなどで慎重に評価します。
保護者の方へ
小児泌尿器科の診療では、お子さん本人が症状を正確に伝えられないことも多く、保護者の気づきが重要です。
当院ではプライバシーに配慮しながら、お子さんが安心して受診できるようサポートします。
些細なことでも構いませんので、まずはお気軽にご相談ください。